SOLAS: Surface Ocean-Lower Atmosphere Study(海洋・大気間の物質相互作用研究計画)は、海洋と大気の境界領域を主な対象に、化学、物理、生物分野の研究を展開する国際プロジェクトとして2004年立ち上がり、以降、国際的な研究活動を活発に推進している。現在、国際SOLAS科学委員会では、SOLAS 2015-2025 Science Planのもとに、下記の5つのコアテーマを掲げ、SOLASコミュニティの研究活動をサポートしている。
1.Greenhouse gases and the oceans
2. Air-sea interface and fluxes of mass and energy
3. Atmospheric deposition and ocean biogeochemistry
4. Interconnections between aerosols, clouds, and marine ecosystems
5. Ocean biogeochemical controls on atmospheric chemistry
国内ではWestern Pacific Air-Sea interaction study (W-PASS; 2006-2010年度科研費特定領域研究)の活動を皮切りに、現在においても、温室効果気体の大気海洋間の交換、海洋酸性化、海洋マイクロレイヤーの大気化学への影響解明、大気降下物による海洋への微量元素の供給、海洋生物活動と微量気体の関係、洋上エアロゾルの生成過程と雲生成への影響、窒素固定などをターゲットとし、船舶を用いた観測研究や、数値モデルを使った研究が活発に実施されている。国内組織としては、日本学術会議・FE(フューチャーアース)・WCRP(世界気候研究計画)合同分科会の下に国内SOLAS小委員会が設置され、SOLAS関連の研究サポートを目的として活動している。